事件

【ピザ配達人爆死事件】FBIが認めた複雑怪奇な凶悪事件

見知らぬ人物から突然メモ書きを渡され「ここに書かれている事を遂行しなければお前の命はない」と言われたら、あなたはどんな事でも遂行出来るでしょうか。

今回ご紹介するのは、首に時限爆弾を装着させられ、銀行強盗を強要された男性が殺害された「ピザ配達人爆死事件」をご紹介します。

まるで映画に出てくるような話ですが、爆発の瞬間を捉えた映像が今もネット上で流通している非常にショッキングな事件です。

それでは事件の概要から見ていきましょう。

ピザ配達人爆死事件とは

皿に美味しそうに盛り付けられたマルゲリータピザ

事件概要

  • 発生日:2003年8月28日
  • 被害者:1名(ブライアン・ウェルズ)
  • 加害者:マージョリー・アームストロング、ケネス・バーンズ、ウィリアム・ロススタイン
  • 判決:マージョリー・アームストロング/終身刑、ケネス・バーンズ/懲役45年

ピザ配達人爆死事件は、アメリカのペンシルベニア州で発生した殺人事件です。

ピザ配達人をしていた男性ブライアン・ウェルズが、突如首に時限爆弾を装着され、銀行強盗を強要された後、爆弾で殺害されてしまいました。

警察に捕まった後のブライアンの様子はアメリカのテレビで中継されていたため、彼が爆殺されてしまう瞬間が映像として現在も残っているショッキングな事件として有名です。

ピザ配達人爆死事件の時系列①銀行強盗~逮捕

紙幣の上に積み上げられた硬貨

2003年8月28日、アメリカのペンシルベニア州にあるPNC銀行で強盗が発生しました。

男は窓口で15分以内に現金25万ドルを差し出すよう要求するメモ書きを手渡しましたが、要求額を全額差し出すには金庫室へアクセスしなければならないため、窓口の職員は強盗に8,702ドルを手渡して事なきを得ました。

要求額には至らなかったものの、強盗はそのまま銀行を後にするのですが、通報を受けた警察に駐車場であっさりと捕まってしまいます。

逮捕された強盗は自分の身元とともに、驚くべき事実を告白しました。

ブライアン
ブライアン
俺はブライアン・ウェルズだ。今、俺の首に時限爆弾が仕掛けられてる、もう時間がない!

ブライアンの供述をまとめるとこうです。

  • 自分は30年この町でピザの配達をしている。
  • ピザの配達先で拳銃を突きつけられて首に時限爆弾を装着された。
  • この爆弾は15分で爆発する。
  • メモ書きも一緒に渡された。
  • ここに書かれている事を実行したら爆弾を解除してやるとも言われた。
  • さっき行った銀行強盗も奴らの指示だった。
  • 自分は監視されていて、警察に通報したら爆弾が起動すると脅されている。
  • だから銀行強盗も仕方なくやった。
  • 自分は被害者なんだ、頼むから信じてほしい。

フィクションのような話に警察も半信半疑でしたが、万が一ブライアンの話が本当であれば大変です。

警察は周囲の人達を避難させ、爆発物処理班を要請しました。この時、ブライアン逮捕からすでに10分が経過していました。

ピザ配達人爆死事件の時系列②爆弾起動

木箱に格納されたダイナマイトと起爆スイッチ

爆発物処理班が到着する3分前、恐れていた事が起こりました。

ブライアンの首に装着されていた時限爆弾が爆発してしまったのです。

現場には、警察以外に騒ぎを聞きつけたテレビ局が駆けつけており、爆発直前~爆発後までの映像が克明に映っていました。

爆発の瞬間はテレビで放送されませんでしたが、後にインターネット上に流出しています。

爆風をもろに受けたブライアンは致命傷を負い、その後すぐに息絶えてしまいました。

その後、ブライアンが持っていた指示書を調べると、そこにはブライアンの言う通り強盗の手順や首輪を外すための鍵の場所が記されていたといいます。

また、鍵の隠し場所は現場付近に点在する複数の場所で謎解きをしてヒントを取得しないと分からないという仕様でした。

ピザ配達人爆死事件の時系列③犯人特定

コンクリートの上に設置された黒電話

ピザ配達人爆死事件の被害者であるブライアンに時限爆弾を装着させたのは一体誰なのでしょうか。

警察は容疑者を特定しようと捜査を進めましたが、進展は芳しくなく迷宮入りという結末も頭をよぎるようになりました。

そんな折、ウィリアム・ロススタインという男から通報がありました。

ロススタイン
ロススタイン
自宅ガレージの冷凍庫に男性の死体を隠している。男性の名前はジェームズ・ローデンだ。

ジェームズ・ローデンとの関係について尋ねられたロススタインは、以前交際していたマージョリー・アームストロングという女性が金銭トラブルで殺害した交際相手であると説明しました。

きっかけは別事件に関しての通報だった

ローデンを殺害したマージョリーは、ロススタインに2,000ドルで現場の清掃と死体の隠蔽を依頼したといいます。

マージョリーという女性は複数の精神疾患を患っており、ローデン以外にも元夫や恋人が不審な死を遂げているため警察からマークされている人物でした。

また、ロススタイン自身も地元では発明家として有名で改造銃や爆弾などを作成する技術を有しており、彼自身にも武器の提供などによって殺人に関与した過去があります。

ロススタインは、ローデン殺しについての証言を行った事で訴追免除され、2004年に亡くなりました。

マージョリーはローデンの殺害について有罪を認められ懲役刑が宣告されました。

ローデン殺害の動機について、マージョリーは

マージョリー
マージョリー
銀行強盗の計画が警察にリークされるのを防ぐためだった

と話しています。

この証言から、マージョリーがピザ配達人爆死事件の容疑者の一人である事が明らかになりました。

マージョリーの友人から真相が明らかに

マージョリーやロススタイン以外にもピザ配達人爆死事件の首謀者が存在していました。

2005年、マージョリーの友人であるケネス・バーンズという男性は、ピザ配達人爆死事件の真相を知っているとして、彼の兄弟に詳細を話して聞かせました。

ところが、話を聞いた兄弟は警察にこの事を密告し、バーンズは逮捕されてしまいます。

ケネスは、銀行強盗を敢行させる人物としてブライアンを選んだため、彼もピザ配達人爆死事件の詳細を知っていたのです。

その後、ケネス・バーンズは減刑と引換にピザ配達人爆死事件の真相を話すと警察に取引を持ちかけ、ピザ配達人爆死事件の首謀者はマージョリーであると告発されました。

マージョリーは、爆殺されたブライアンも共犯だったと主張していましたが、この言い分はケネスに否定されています。

ピザ配達人爆死事件の加害者らに下された判決

白い床に設置された木槌

ピザ配達人爆死事件の加害者には以下の判決が下されました。

  • ケネス・バーンズ 懲役45年
  • マージョリー・アームストロング 終身刑

マージョリーは複数の精神疾患を患っていたため、判決を決めるにあたって責任能力の有無を見極める必要がありました。

そこで2009年3月11日に聴聞会を開いた結果、マージョリーには十分な責任能力があると認められ、彼女は終身刑を宣告されました。

裁判当時、マージョリーは事件に関する報道が今回の裁判の公平性を損なわせているとも主張しましたが、報道は客観的で正確だったとして彼女の言い分は却下されています。

2013年、2015年とマージョリーは終身刑判決について上訴していますが、どちらも棄却され、2017年にマージョリーは乳がんによって68歳で亡くなりました

捜査中に判明した残酷な事実

錆びた大きな南京錠と鍵束

ピザ配達人爆死事件について捜査を進めていた段階で、明らかになった事実がありました。

それはマージョリーの犯行動機ブライアンの悲惨な運命についてです。

マージョリーのあまりにも身勝手な犯行動機

手のひらのコインを数える老人の手

マージョリーが今回の計画を企てた理由は、父親の遺産でした。

マージョリーは父親の遺産相続人として登録されていましたが、浪費家な父の姿を見て自分の相続分が少なくなってしまうのではないかと案じていました。

マージョリー
マージョリー
遺産がこれ以上減る前に父親を殺害しよう

そう考えたわけです。

父親を殺害するため、殺し屋であるケネスを雇おうと考えたマージョリーは、その資金を集めるために銀行強盗を思いつき、ブライアンに時限爆弾を装着させるに至ったと言います。

事実、マージョリーの父親は生前から自身の遺産を友人や身内にホイホイ分け与えており、亡くなった後はほとんど無くなっていたそうです。

時限爆弾を装着されたブライアンは助からない運命だった

ノートパッドの上に置かれた鉛筆と紙くず

ブライアンが持っていたメモ書きには、こう書かれていました。

  • 指定ルートにある鍵をを使えば爆弾の起動を遅らせる事が出来る。
  • 指示通りに動けば時限爆弾の解除には十分な時間が得られるだろう。

ブライアンの死後、このメモ書きについて警察が調査した結果、メモ書きにあった”指定ルートにある鍵“などというものはなく、ブライアンは時限爆弾を解除出来ない運命にあった事が明らかになりました。

編集後記

黄金の6発の弾丸

今回はアメリカの怪事件「ピザ配達人爆死事件」をご紹介しました。

爆弾を装着された被害者や、ミッションが記載されたメモ書きなど、ほとんどドラマのような事件ですが、ブライアンが死亡する場面が中継されるなど、世界的に見ても異質な事件だと感じます。

今回は被害者として紹介していますが、死亡してしまったブライアンも事件の首謀者として引き入れられていたと言われています。

当初、ブライアンの首には偽物の爆弾を括りつける予定でしたが、情報が漏洩するのを恐れたマージョリーは真相を知っている人物を少しでも減らすために本物の爆弾を装着する計画に変更されたようです。

さらにこの事件を扱ったドキュメンタリー映画『邪悪な天才:ピザ配達人爆死事件の真相』がNetflixで公開されています。

現在、筆者はNetflixの利用をお休み中なのですが、少し見てみたいなと感じました。