宗教

聖書は誰が書いたのか?世界最古の聖書写本:死海文書に残された謎と預言

死海文書(しかいもんじょ)とは、アラビア半島北西部に位置する死海周辺で発見された世界最古の聖書写本です。

発見された数の多さ、そして歴史的価値の高さから『20世紀最大の発見』と言われているのでご存知の方も多いでしょう。

この死海文書は、後のタナハ(旧約聖書)に影響を与えた写本なのですが、タナハには記されていない預言が記載されていたり、未だに筆者が判明していなかったりと現在でも謎の多い書物でもあります。

今回は死海文書が発見された経緯や予言の内容についてご紹介します。

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死海文書とは

びっしりと文字が書かれた古書

死海文書(しかいもんじょ)は、死海北西部に位置するワディ・クムランという洞窟で見つかった古文書です。

その数は大小800種類以上にものぼり、歴史的価値の高さから『20世紀最大の発見』と言われています。

ワディ・クムランの「ワディ」とは、アラビア語で涸れ谷を意味します。

なので、日本語に直訳すると「クムランの涸れ谷」。クムランを含む死海周辺は、ほとんど一年中干上がっている事からこう呼ばれるようになりました。

死海文書は「死海周辺で見つかった古書」という意味で使用される事もありますが、厳密にはこのワディ・クムランにある11の洞窟で見つかった古文書の総称です。

死海文書に使用されている羊皮紙を調査した結果、紀元前250年~紀元70年頃に記された書物である事が分かっています。

死海文書の素材のほとんどは羊皮紙で出来ていますが、一部パピルス紙や銅板、子牛皮に記述された死海文書も見つかっています。

死海文書の内容

発見当時の死海文書の再現

800種類にも及ぶ死海文書ですが、その内容は大雑把に4種類に分類する事が出来ます。

死海文書の内容
  • 聖書の写本
  • 外典(偽典)と呼ばれる書物
  • 聖書の注解書
  • クムラン宗団の規則、儀礼

最も大きな割合を占めるのが外典で全体の3分の1がコレにあたります。

そして、聖書の写本とクムラン宗団の規則、儀礼がそれぞれ4分の1程度。残りが聖書の注解書となっています。

死海文書に記述された預言の数々

厳かに輝くステンドグラス

死海文書にはタナハや新約聖書、コーラン等の源流とされる文献が数多く残っています。

しかし、これらの預言書には反映されていない幻の預言も多数存在し、中には見事死海文書の予言通りとなった出来事も存在しています。

オカルト界隈で特に根強い人気を誇る死海文書の預言の中で、特に有名なものは

  • イスラエルの崩壊
  • 光と闇の最終戦争
  • 救世主として誕生する日本人

この三つではないでしょうか。

一つずつ、詳しくご紹介していきます。

イスラエルの崩壊

夕陽を背にはためくイスラエル国旗

死海文書の一つ『戦いの書』には「ユダヤ民族は一つになるものの、70年間に渡って混乱に見舞われる」と記されています。

ユダヤ民族が一つになる」という記述をイスラエルの建国に当てはめてみましょう。

イスラエルは1948年に国家として独立しますが、その歴史は建国以来、聖地エルサレムをめぐる紛争やアフガン侵攻といった中東問題に翻弄されるものでした。

このイスラエルの歴史は、死海文書の預言通りの動きをしているように見えます。

そして、70年にもおよぶ混乱の先には大きな津波と戦いが待ち受けており、最終的に破滅へ向かうと記されています。

イスラエルは2018年に建国70年を迎えますが、幸い現在もこの預言に準じた出来事は起こっていません。

しかし、この預言が外れているという事ではなくまだ未成就なだけという可能性もゼロとは言い切れないのではないでしょうか。

光と闇の最終戦争

戦火に翻弄され退廃した町並み

『戦いの書』に記された預言にはまだ続きがあります。

その続きがこちら

  • ユダヤが一つになった70年後、光の子(ユダヤ人)と闇の子(ユダヤ人以外の民)の最後の戦いが勃発し、世界は破滅に向かう。
  • 神の側の者達には栄光が、サタンの側の者には絶え間ない破滅が訪れる。
  • 世界から不平等が消え去り、闇の子が持つ特権はすべて消え去る。
  • 両軍とも天使の助けを得て戦いに挑むが、最終的に神は光の子に微笑むだろう。

非常に幻想的な内容になっていますが、この記述は第三次世界大戦(核戦争)の勃発を預言しているのではないか、とオカルト界隈で噂されています。

国際テロ組織である「アルカイダ」によるアメリカ同時多発テロ等、中東問題が世界的な紛争に発展しつつある情勢を見ていると、死海文書の預言通りの出来事が起こっているように見えますね。

救世主として誕生する日本人

神々しいご来光と富士山

光と闇の最終戦争における預言では、光の子と闇の子どちらの陣営にも救世主(メシア)が誕生するとの記述があります。

この二人のメシアは

  • アロンのメシア
  • イスラエルのメシア

と言い、このうちのイスラエルのメシアは失われた10支族の末裔ではないかと噂されています。

この失われた10支族のうち1支族の数人は日本に移住したと考えられており、日本語の紀元がヘブライ語であるという研究結果も出ています。

死海文書の預言を続けて見ていくと

メシアは聖書を知らない東の国から現れる。

との記述を確認出来ます。

日本は極東に位置し聖書の影響が少ない事、そして失われた10支族にゆかりがある事から、二人のメシアのうち一人は日本から誕生するのではないかと考察されています。

死海文書の謎

死海文書のイザヤ書の一部

死海文書は、写本から2000年以上経過しているにも関わらず原型を止めている事や、作者が未だ特定出来ていない事等、預言の内容の他にも様々な謎が存在します。

死海文書にまつわる謎と詳細についてご紹介します。

極めて高度な防腐処理が施されている

太陽を浴びる清潔な洗濯物

約2000年もの間、死海文書は消失する事なく極めて良好な保存状態で発見されました。

死海文書は石等の頑丈な素材に記されていただとか、地下の奥深い墓で大切に保管されていた訳ではありません。

にも関わらず、これほど保存状態が良かったというのは正に奇跡的な事で、死海文書が20世紀最大の発見と言われる所以でもあります。

また、死海文書を最初に買い取ったシリア正教会の大主教であるアタナシウスによると、死海文書には彼が知り得るどの方法にも該当しない防腐処理が施されていたとの事です。

アタナシウスが死海文書の切れ端を試しに燃やしてみると、そこからは嗅いだことのない匂いがしたと話しています。

死海文書に施された防腐処理については、発展した科学技術を用いて調査を進めましたが、その方法については未だに解明出来ていません。

死海文書が洞窟に保管されていた理由とは

死海文書が発見されたクムラン周辺では、約1950年前にユダヤ人とローマ帝国との間で激しい戦いが繰り広げられていました。

当時のユダヤ人はローマ帝国の攻撃から死海文書を守るため、死海文書を洞窟内に隠したのではないかと考えられています。

誰が死海文書を記したのか?

ヘブライ語が刺繍された布

誰が死海文書を作成したのかは分かっていませんが、ユダヤ教の派閥の一つであるエッセネ派のクムラン宗団が作成したのではないかと考えられています。

エッセネ派とは

古びた本の上に置かれた白い花

エッセネ派とは、死海文書が発見されたクムランの洞窟周辺で暮らしていたと考えられるユダヤ人です。

当時のユダヤ教は

  • サドカイ派
  • ファリサイ派
  • エッセネ派

の三つの派閥に別れていました。

このうち、サドカイ派とファリサイ派は新約聖書にイエスの論敵として登場しますが、エッセネ派だけは新約聖書に登場しません。

謎の多いエッセネ派ですが、当時の歴史家達は、彼らがどういった生活を送っていたかを書物に書き記しており、これらの書物を通して当時の彼らの生活を知る事が出来ます。

当時の歴史家達によると、エッセネ派は独身生活を守り、財産を放棄し、安息日を厳格に守って生きていました。

さらに、律法や預言者の書について熱心に学び、非常に禁欲的な生活を送っていたと言われています。

その暮らしぶりは、死海文書の「クムラン宗団の規則、儀礼」に記された生活様式と酷似していた事から、死海文書はエッセネ派の一派であるクムラン宗団が記述したものとする説が一般的になっています。

死海文書には現在も多くの謎が残る

頭上に天窓が開いた洞窟内の浜辺

今回は世界最古の聖書写本である死海文書をご紹介しました。

死海文書に記された預言が単なる偶然であったとしても、イスラエル建国やその後の紛争を2000年前に予期していたのは驚異的な事だと感じます。

預言ばかりが目立つ死海文書ですが、筆者は古文書に施された防腐処理の方が気になりました。

燃やすと変な匂いがしたとの事なので、羊皮紙に何か細工がしてあるのではないかと思いますが、最新の科学技術でも特定出来なかったとなると、完全な解明にはまだまだ時間がかかりそうですね。

ほとんど解読済みとは言え、内容についても未解明な部分がありますし、今後も何か新しい発見があるかと思うとワクワクします。

死海文書の内容や作者について、あなたは何か気になる事はありましたか?

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